2014年6月16日月曜日

2級造園作業試験の手順と解説②

「作業始め!」という係員の合図によって、実技(作業)試験が開始されます。

緊張しますが、慌てず落ち着いて…


造園施工図を確認し、まずは、四つ目垣の作成です。


(1)親柱、間柱となる丸太の天端を切りそろえる。

 ※ 千葉県では2013年度(平成24年度)より自然丸太から加工丸太に変更になりました。
 
 ・柱の元口と末口を間違えないように注意する。
 
 ・スコップ(裏返し)とコノキリの上に柱が水平になるように乗せる。

 ・のこぎりは刃は、細かいものより粗い方が早く切れそうです。

 ・丸太の末口から約10~20㎜の幅で水平に切り取る。

 ・切り取った木片(2枚)は、作業終了合図に使うので大切に保管しておく。


(2)柱に色鉛筆で印を付ける。

 ・柱の曲がり、傷、節が目立たない方を正面に定め、その裏に印を付ける。

 ・色鉛筆は1本で2色(赤と青)になっているものが便利です。

 ・天端を切った柱の末口から100㎜、350㎜、550㎜、850㎜、1,000㎜の位置に印す。

 ・柱の全長も測っておくと根入れの穴掘りの目安になります。

(3)親柱と間柱の遣り方づくり

 ・図面左上の区画杭の中心から右方向にメジャーを伸ばし200㎜、1,700㎜の位置に、

  区画の水糸ぎりぎりにピンポールを垂直に立てる。

 ・同様に左上の区画杭から手前に向かって200㎜の位置にピンポールを立てる。

 ・更に対角線上にもピンポールを刺しておくと、柱の中心位置がより明確になる。

(4)柱の穴を掘る

 ・柱の位置が正確でないと図面通りに作成できなくなる。

 ・ピンポールの交点を中心にして、柱の直径2倍程度の穴を垂直に掘る。
  
  ※ 両面スコップが早く掘れて便利です。

 ・掘り出した土は、すぐに埋め戻すので近くに盛っておく。

 ・穴の深さを測るときは、穴の縁で無く、GLから600㎜であること。

  ※ 穴を掘るとき、周囲が崩れているのでくれぐれも注意!

(5)柱の建て込み

 ・柱の印を付けた方を裏側に向けると胴縁の取り付け位置がわかりやすい。

 ・根入れの印がGLより若干(約10㎜)上にあると整地の時間が短縮できる。

 ・柱の中心がピンポールの位置と合っていること。
 
  ※ メジャーで距離を再確認する。

 ・柱は垂直に立っていること。

  ※ 水平器は使えないので、付近の建造物等を参考にする。

 ・根固めは穴の最下部と地表部を突き棒でしっかりと突き固める。

  ※ 柱の位置をずらさないように注意!

 ・間柱の穴を掘ったら、仮立てし、2本の柱の天端から100㎜の位置に水糸を張って
  水平であること、柱の中心間が1,500㎜であることを確認する。

  ※ 水糸は立子の高さになるので張ったままにしておく。

 ・間柱も親柱同様に突き固める。

(6)胴縁の取り付け

 ・胴縁用の竹は、曲がりが少なく太さが均等な(あまり細くない)ものを3本選ぶ。

 ・まず1本目、末口の節間で切り落とし、その節から1,700㎜位のところで切る。

  ※ 1本目はメジャーで正確に測り、残りの2本は1本目に合わせて切る。

 ・3本とも竹の芽(枝)が出ていた方を正面に向け、末節残して斜め切りする。

  ※ 目(枝)が出ていた方を正面に向けると真っ直ぐで見栄えが良い。

 ・胴縁は元、末を交互に使うので、親柱側に元、末、元となるように柱に沿って順に並べる。

  ※ この時に立子(1,000㎜を9本)も作っておくと要領よく作業できる。

 ・親柱と間柱の印を付けた位置に軽く釘を打ちつける。(間柱の下段を除く5ヶ所)

  ※ 釘は胴縁の竹を乗せても落ちないように打ち込む。釘の予備は1本しかない。

 ・下段に胴縁を取り付ける。(千葉県は下段からとなります。)

  ※ 元口側を親柱の釘に乗せ、斜め切りした末口を間柱に密着させる。

  ※ 節を貫通して間柱に届くようにドリルで穴をあけ釘止め。
    (竹の割れや釘の曲がりに注意)

  ※ 親柱側の胴縁を柱に合わせて斜め切りし、ドリルで貫通、釘止めとする。

 ・中段に胴縁を取り付ける。

  ※ 下段同様に取り付ける。ただし、親柱に節止め斜め切りした末口がつく。

 ・上段に胴縁を取り付ける。

  ※ 中断同様に取り付ける。ただし、間柱に節止め斜め切りした末口がつく。

(7)立子の取り付け

 ・竹の元口の曲がり部分を切り落とし、末節止めで1,000㎜に切り揃え、太い順に並べる。

  ※ 胴縁作成時に立子も作成してあれば省略です。
  ※ 真竹の節は2重の輪、末節側のくの字出っ張りから5㎜ほど上を水平に切り揃える。

  ・立子が入りやすいようにスコップで柱間の土をほぐす。(深くても100㎜程度)

 ・柱の両側に一番細い立子、中央に一番太い立子(3本目)、更にその中間に2番目に
  太い立子(4、5本目)を垂直に立てる。

  ※ 両柱側の細い立子は柱に密着させて立てる。
  ※ 立子の間隔が均等になるように立てる。
  ※ 芽が正面に向けるように立てると真っ直ぐに見えて見栄えが良い。
  ※ このきりで立子の頭をつぶしたり、割ったりしないように注意する。

  ・残りの立子(4本)も胴縁の裏側に、中央よりから太い順に立てる。

  ・コノキリで立子の高さを水糸の高さに合わせる。


(8)胴縁と立子の結束

 ・胴縁の下段と上段が男結び(裏綾掛けいぼ結び)、中段はからみ結びとなる。

  ・2本使いのシュロ縄を濡らし、玉にしてビニール袋に入れておく。

  ※ 目安として、からみ結び約2広、いぼ結び約4広の長さ

 ・男結びは正面左から下段を結び、次に上段、更に裏側の下段、上段と結んでいく。

  ※ いぼ結びのチリは20㎜(木ばさみの刃の幅くらい)。
  ※ 柱側に上段(左右2ヶ所)は、まだ結ばない。

  ・中段胴縁の親柱側でシュロ縄を2重巻きにして端を輪の下に通して締め付ける。

  ※ 男結び好より簡易で効率が良いです。最後も同様に2重巻き。

  ・からみ結びは、胴縁と立子の隙間をなくすようにきつく締める。

※ 親柱側(裏)→立子左下→(表)→右上→(裏)→左下→(表)→左上→(裏)→男結び好より簡易で効率が良いです。最後も同様に2重巻き。

 




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